なぜ家のリフォームはきちんと調べもせずに、業者の言い分を鵜呑みにするのでしょうか。
新車の購入のときは、希望に燃えてカタログを取り寄せてしっかり調べても、中古車であれば「この程度でいいや、手を打とう」という感覚なのでしょうか。
その選択は、じつに長い歳月、お客様の生活の質を左右する問題なのです。
ちなみに、日本住宅検査保証機構の「既存住宅点検保証制度」の診断料は有料ですが、五万円足らずで済みます。
住宅の健康状態によっては、リフォーム工事終了後、五年間の保証をつけることも可能です。
その場合は、合わせて七万五〇〇〇円ほどかかります。
住宅リフォームにおいては、新築並みか、それ以上に費用のかかる工事がしばしばあります。
本当は新築したいのだが、建て替えができない事情により、あえて「新築に限りなく近いリフォーム」を行うのです。
東京の特殊事情によるのかもしれませんが、建築基準法で定める再建築不可の建物(今ある建物が何らかの理由で建築基準法に違反しているため、たとえ建物が壊れてしまったとしても、新たな建築許可が下りない)や、借地権のため地主(底地権者)の建て替えの承諾をもらえない場合が非常に多いのです。
そのようなお客様で、住環境改善を考える場合は、必然的にリフォームにせざるをえません。
このような場合、私は建築家の起用を提案しています。
マニフェスト住宅とデザイナーズ住宅の結びつきは、原価・利益公開のメリットに建築家起用のメリットが相乗効果をもたらし、お客様が抱かれる「建築家の設計する家はコスト高」という不安を解消することに役立ちました。
マニフェスト・リフォームにもまったく同じことがいえます。
住宅の増改築には、ものにもよりますが、新築以上の技術、経験が必要になりますい。
「建て替えの代わりにやむをえず選択するリフォーム」は、なかでももっとも難易度が高いリフォームです、しそれには経験豊富な建築家に設計・監理してもらうことが、お客様にとっても、工務店にとっても理想の形だと思います。
Aテレビの某人気番組に出演されていた建築家のKさんと、仕事をご一緒させていただいたことがあります。
それが縁で、よく一杯飲みながら語り合うのですが、「今後日本のリフォーム業界では、今まで以上に建築家の役割が大事になってくる」というのがKさんの自説で、私もまったく同感です。
マニフェスト住宅もマニフェスト・リフォームも、お客様が原価をしっかり把握して、建築家と向き合いながら黄高の家づくりを目指していくことが最終目標です。
われわれマニフェスト工務店がそのサポート役、プロデュース役、そして実働部隊として、しっかり力を振るっていく。
その結果、お客様の高い満足を得られるリフォームが増えれば、少しずつですが、この業界も変わっていくと思うのです。
リフォームにおいて、お客様が「だまされた!」とならないためには、絶対条件が二つあると思います。
一つ目は、必ず工事請負契約を締結することです。
リフォームだからといって、契約を軽視してはいけません。
契約に当たっては、工事内容、工事箇所をしっかりと把握して、追加工事が出たらそのつど、すぐに注文書と注文請負を取り交わすことです。
口約束では、いざトラブルになったとき、何の足しにもなりません。
二つ目は、基本的に最初に着手金を払ったら残りは工事完了後の一括払いとすることです。
請負金額の大小、工期の長短はあるかもしれませんが、新築工事ではないのです。
リフォーム工事で中間金を強要してくるような業者は、よほど経営基盤が脆弱な業者だと考え、最初から依頼しないことです。
会社の財務内容の健全さを確かめる意味でも、最初に残金一括払いで「いいか」「ダメか」と、業者にたずねることをおすすめします。
また業界側から、業者の事情を踏まえてお願いしたいと思います。
「支払いは最後に一括で」と申し上げましたが、逆にすべてのリフォーム工事が完了した時点で、お客様が「イメージが違う」といった理由で支払い拒否をされたら、業者はどうなるのでしょうか。
一般的に新築工事の場合は、建物が完成して登記するまでは、施工業者に所有権があるとみなされます。
不当に「払わない」というお客様に対しては、最悪の場合、完成した建物を引き渡さないで、差し押さえることができます。
また、新築の場合は、ほとんどの方が銀行ローンを利用されます。
第三者の立場で金融機関が間に入っているので、新築のケースでは極端に常識はずれのトラブルはあまり発生しません。
ところがリフォームの場合は、ほとんどの方が自己資金で工事をされます。
しかもリフォームの場合、お客様に所有権、居住権、抵当権など、すべての権利が帰属します。
ですから、施工業者の立場はとても弱いといえます。
お客様から理不尽ないじめを受けても、工務店は泣く泣く従わざるをえないのが実情です。
そうした事情をご存じのうえで、ごくごく一部ではありますが、立場を悪用されるお客様もいます。
あちこちいいがかりをつけ、何度でもやり直しをさせる。
「直さなければお金は支払わない」というカードをちらつかせます。
施工店からすれば、とにかくお金を回収したい一心で、がまんして何度もやり直します。
どんなに優秀な工務店でも、腕の立つ大工でも、人間がつくるものですから、重箱の隅をつつくように探したら、必ずいいがかりの対象になるような小さなミスは出てくるのです。
このような問題が起きる背景には、それ以前に関係がこじれていたり、工務店側にも落ち度があるという喧嘩両成敗的なケースがあるのも事実です。
しかし、そのようなことがたび重なると、工務店は、別のお客様のリフォーム工事からその分を補填しょうと考えます。
先にお話しした「保険をかける」という発想です。
仮に焦げついてしまった現場があっても、それ以外の現場(別のお客様)から多めの利益が上がれば、回っていくと考えるのです。
私はこれを「高利貸しの原理」と呼んでいます。
ここにもリフォーム業者の高利益率体質を見ることができます。
私は単純に同業者だということで工務店やリフォーム業者に味方するつもりはありませんが、ごく一部のお客様の言動で、リフォーム業界自体が悪くなるという、悪循環の引き金となっている事実もあるのです。
なぜ、そんな一部の心ない人たちのために、良心的なお客様が「ぼったくり」の対象にされなくてはいけないのでしょうか。
いい人がだまされ、悪い人が得する業界。
こんな旧弊な体質は、一刻も早く改善しなくてはならないと強く思います。
リフォームも、新築も、対策ははっきりしています。
良心的な業者が、良識をもつお客様に対し、嘘、偽りのないまっとうな仕事をしてい〜」と。
原価と利益をはじめとする内部情報を、明確に開示すること。
つねにお客様満足に向け邁進すること。
信頼関係によるチームワークを築くこと。
そして何より、それぞれが、それぞれの仕事に誇りをもつことではないでしょうか。
目まぐるしいスピードで時代が移り変わっていきます。
情報も氾濫しています。
何が正しくて、間違っているのか、何が良いのか、悪いのか、情報量が多すぎ、変化が速すぎてよくわかりません。
情報化が進み、インターネットを通じて新たな情報や詳細な情報を得ることはどんどん簡単になっていますが、それと反比例して、判断することが難しくなっているように感じます。


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